「日々の業務に追われて、本当に重要な仕事に集中できない…」
「単純作業の繰り返しで、自分の成長が止まっている気がする…」
もし、あなたが少しでもこのように感じているなら、この記事はあなたのためのものです。AIはもはや遠い未来の技術ではありません。私たちの働き方を劇的に変え、生産性を飛躍的に向上させる、今すぐ使える強力なパートナーなのです。
この記事では、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が公開し、大きな話題を呼んだ資料『AI活用100本ノック』を基に、AIを仕事に活用するための具体的なノウハウを、AI初心者の方にも分かりやすく解説します。100個もの実践的な活用事例の中から、特に重要で応用しやすいものを厳選し、明日からあなたの仕事に役立つ「AI仕事術」を伝授します。
もうAIの進化をただ眺めているだけではもったいない。このマニュアルを読んで、あなたもAIを「使う側」になり、仕事のあり方を自らの手で変革していきましょう。
DeNA社が公開した元資料はこちらからダウンロードできます。
DeNA AI活用100本ノック (AI 100 tips) slide [1]

DeNA『AI活用100本ノック』とは?
DeNA『AI活用100本ノック』とは、DeNAの社員が実際にAIを業務で活用した100個の事例をまとめたスライド資料です。資料作成の効率化から、プログラミング、市場調査、会議の運営まで、多岐にわたる業務でAIがどのように活用され、どのような成果を上げたのかが具体的に示されています。
各事例は、以下の4つの項目で構成されており、AI活用の効果が非常に分かりやすく整理されています。
- 課題: どのような業務上の問題があったか。
- 解決策: どのAIツールを、どのように使って解決したか。
- 成果: 活用によってどのような効果が得られたか。
- 利用者の声: 実際に使ってみた社員のリアルな感想。
このマニュアルでは、この100個の宝の山から、特にAI初心者の方が始めやすく、効果を実感しやすい事例を厳選してご紹介します。
1. 情報収集・リサーチをAIで自動化する
日々の業務において、情報収集やリサーチに多くの時間を費やしている方は多いのではないでしょうか。インターネット上の膨大な情報から必要なものを探し出し、整理・要約する作業は骨が折れます。ここでは、そうした情報収集・リサーチ業務をAIで劇的に効率化する事例を見ていきましょう。
事例1:Webサイトの参照・要約が瞬時に終わる「NotebookLM」活用術 (#001)
法律の条文や、複雑なガイドライン、長文のレポートなど、大量のテキスト情報を読み解く必要がある場面で役立つのが、Googleの「NotebookLM」です。
【課題】
法律やガイドラインの内容を正確に把握し、整理する作業に多くの時間がかかっていました。
【解決策】
調査対象のWebサイトのURLをNotebookLMに「ソース」として追加し、あとは質問を投げかけるだけ。例えば、「〇〇に関する規定を教えて」と入力すれば、NotebookLMがソース内の情報を基に的確な回答を生成してくれます。
【成果】
これまで数時間かかっていた情報収集と整理の時間が大幅に短縮され、より本質的な思考や創造的な作業に集中できるようになりました。

【初心者向け解説】
NotebookLMは、あなたが指定した資料(Webサイト、PDF、テキストファイルなど)だけを情報源として回答を生成するAIです。そのため、一般的なチャットAIのように不正確な情報や無関係な情報に惑わされることなく、信頼性の高い情報を効率的に得ることができます。まるで、その資料を完璧に記憶したあなた専用のアシスタントがいるようなものです。
事例2:大量のPDF資料もAIで一発検索「Gemini + Googleドライブ」連携 (#002)
Googleドライブに保存された大量のPDF資料の中から、特定の情報を探し出すのに苦労した経験はありませんか?GeminiとGoogleドライブを連携させれば、その悩みは一瞬で解決します。
【課題】
複数のPDF資料に散らばった情報の中から、必要な箇所を見つけ出すのに時間がかかっていました。
【解決策】
Googleドライブ上でPDFを開き、画面に表示されるGeminiのアイコンをクリック。あとは、探している情報について具体的な質問(例:「〇〇に関する記述を抜き出して」)を入力するだけです。
【成果】
情報収集の時間が劇的に短縮されました。特に、英文の資料であっても、Geminiが自動で日本語に翻訳して要約してくれるため、言語の壁を越えて効率的なリサーチが可能になりました。

【初心者向け解説】
この機能は、Google Workspace(Gmail, Googleドキュメント, スプレッドシートなど)に搭載されている「Duet AI for Google Workspace」という拡張機能(現在はGemini for Google Workspace)を利用したものです。普段使っているツール上でシームレスにAIの力を借りられるのが大きな魅力です。大量の議事録や報告書の中から、重要なポイントだけを抜き出したい、といった場面で絶大な効果を発揮します。
2. 開発・コーディング作業をAIで効率化する
プログラミングや開発業務は、AIの得意分野の一つです。コードの自動生成やレビュー、バグ修正など、AIを導入することで開発プロセス全体の生産性を劇的に向上させることができます。
事例3:コードレビューを自動化する「GitHub Copilot」(#003)
手動でのコードレビューは、時間と多大な労力を要し、開発のボトルネックになりがちです。GitHub Copilotを導入すれば、このプロセスを大幅に効率化できます。
【課題】
開発者による手動のコードレビューは、時間的制約や担当者の負担が大きいという問題がありました。
【解決策】
GitHub Copilotを導入し、プルリクエスト(PR)に対するコードレビューを自動化しました。Copilotがコードの品質や潜在的な問題を自動で指摘してくれます。
【成果】
まだ概念実証(PoC)の段階ではあるものの、業務利用に十分なレベルのレビューが可能であることが確認されました。これにより、開発者はより創造的な作業に集中できるようになります。

【初心者向け解説】
GitHub Copilotは、単なるコード補完ツールではありません。コードの文脈を理解し、関数全体やアルゴリズム、さらにはテストコードまで提案してくれます。この事例のように、コードレビューを自動化することで、チーム全体の開発スピードを上げ、品質を均一に保つ助けとなります。
事例4:プログラミング知識ゼロでもツールを自作できる (#004)
「こんなツールがあったら便利なのに…」と思っても、プログラミングの知識がなければ諦めてしまいがちです。しかし、生成AIを使えば、専門知識がなくても自作ツールを開発できます。
【課題】
セキュリティを考慮しつつ、WebページのOGP画像(SNSなどでシェアした際に表示される画像)を簡単に確認できるツールが必要でした。
【解決策】
生成AI(この事例では具体的なツール名は明記されていませんが、ChatGPTやGeminiなどが考えられます)に対して、作りたいツールの要件とセキュリティ上の要望を自然言語で伝えることで、Chrome拡張機能のコードを生成させました。
【成果】
プログラミングの専門知識がない担当者でも、わずかな時間で目的のツールを自作することに成功しました。これにより、業務のちょっとした「不便」を自分たちの手で解決できる可能性が示されました。

【初心者向け解説】
現在の生成AIは、非常に高度なプログラミング能力を持っています。「〇〇をするためのPythonコードを書いて」「このJavaScriptのコードを修正して」といった簡単な指示で、実用的なコードを生成してくれます。まずは、自分の業務を効率化する小さなツール作りから試してみてはいかがでしょうか。
3. 資料作成・会議運営をAIでスマートにする
企画書や報告書、プレゼン資料の作成、そして日々の会議。多くのビジネスパーソンが多くの時間を費やすこれらの業務も、AIの活用で大きく変わります。
事例5:面倒な議事録作成から解放される「Atlassian Rovo」活用術 (#035)
会議のアジェンダ作成は、事前準備の中でも特に手間のかかる作業の一つです。Atlassian Rovoを使えば、この作業を自動化し、会議のアウトプットを最大化できます。
【課題】
週次の定例ミーティングの前に、プロジェクト管理ツール(Jira)のチケットを確認し、アジェンダをまとめる作業に時間がかかっていました。
【解決策】
Atlassian RovoとJira Automationを連携させ、AIエージェントを構築。毎週木曜日の朝9時に、最新のJiraチケットとその内容の要約、次のアクション提案を含むアジェンダを自動で作成するようにしました。
【成果】
会議の準備時間が不要になり、参加者全員が事前にアジェンダを把握できるようになったため、会議の進行がスムーズになり、議論がより活発になりました。

【初心者向け解説】
この事例のポイントは、「定型的な情報収集・整理」をAIに任せている点です。毎週同じ手順で行う作業は、まさにAIによる自動化に最適です。自分の業務の中に、このような「繰り返し作業」がないか見直してみましょう。それをAIに任せることで、あなたはより付加価値の高い仕事に時間を使えるようになります。
事例6:資料作成が苦手でも大丈夫!AIでスライド作成が爆速化 (#040)
「スライドやパワーポイント資料の作成が苦手…」という悩みを持つ方は少なくありません。GeminiとGitHub Copilotを組み合わせることで、資料作成のプロセスを劇的に効率化できます。
【課題】
スライド資料の作成に毎回多くの時間をかけても、満足のいくクオリティのものが作れないという悩みがありました。
【解決策】
まずGeminiと対話しながら、資料のアウトライン(構成)を決定します。その後、そのアウトラインに基づいて、GitHub Copilotに各スライドの内容をコーディング(デザイン・レイアウト生成)させました。
【成果】
これまで時間と労力をかけていたスライド作成が爆速で完了。AIが構成と内容のたたき台を作ってくれるため、資料のクオリティも安定して向上しました。

【初心者向け解説】
この事例は、AIとの「協業」の好例です。まず、人間がAI(Gemini)と対話しながら思考を整理し、大枠の構成を決めます。そして、その構成案を基に、別のAI(GitHub Copilot)が具体的なアウトプットを生成する、という流れです。AIを「壁打ち相手」兼「優秀なアシスタント」として活用することで、自分の苦手な部分を補い、スピーディーに質の高い成果物を生み出すことができます。
4. その他の注目事例:さらなるAI活用の可能性
ここまで紹介した事例以外にも、『AI活用100本ノック』には多くの興味深い活用事例が含まれています。ここでは、その中からいくつかを簡潔に紹介します。
アイデアを1日で形に!AIでプロトタイプ開発 (#045)
新しいサービスの企画案が生まれても、それをプロトタイプとして形にするには時間がかかります。GeminiとGitHub Copilotを活用すれば、企画案を入力するだけで、AIエージェントがプロトタイプ開発に必要な仕様概要を自動でアウトプット。業務の合間に1日でプロトタイプを完成させることが可能になりました。エンジニアやデザイナーなしでもAIの伴奏でプロトタイプ作成が完了できるのは大きなメリットです。

アンケート分析もAIで!Gemini Deep Research活用 (#050)
イベント後のアンケート分析は、単純な集計だけでなく、「その数値が何を意味するのか」を読み解く分析力が求められます。GeminiのDeep Research機能を使えば、アンケート結果の統計情報を読み込ませるだけで、AIが分析観点の洗い出しからレポート作成まで行ってくれます。

問い合わせ対応の自動化で生産性爆上がり! (#085)
従来のWebチケットシステムでの問い合わせ対応は、数日から数週間かかることもありました。この事例では、普段使っているSlackを問い合わせ窓口とし、「まずAI(Findout)に聞いて、分からなかったら人が対応する」という流れを構築。AIによる即時回答(数秒)で多くの問い合わせがその場で完結し、人間の対応が必要なチケット件数が20%減少、問い合わせ解決時間も40%短縮されました。

スプレッドシートの大改修もAIで一括対応 (#090)
何十枚ものスプレッドシートに対して、「プルダウンの追加」や「入力規則の再適用」といった修正を手作業で行うのは、気が遠くなる作業です。Geminiに依頼して、全シートを横断して指定した修正を実行するGoogle Apps Script(GAS)を作成させることで、手作業なら数日かかっていた可能性のある大規模な改修作業が一瞬で完了しました。

AIフル活用!1人で新規企画を短期立案 (#095)
新規企画の立案には、調査、資料作成、モック作成など多くの工程が必要です。この事例では、企画立案から提案までの全フローでAIを活用。Google Meet、NotebookLM、Gemini(Deep Research)、Canvas、Copilotなど、複数のAIツールを工程に応じて使い分けました。自分がやったのは、ほぼAIとの対話と意思決定、アウトプットの最終調整、ユーザーインタビューのみ。通常業務をやりながら並行して新規企画を検討し、提案まで実行できるようになりました。

まとめ:AIを使いこなし、仕事の主導権を取り戻そう
本マニュアルで紹介した事例は、『AI活用100本ノック』のほんの一部に過ぎません。しかし、これらの事例からだけでも、AIが私たちの働き方をいかにポジティブに変革しうるか、その大きな可能性を感じていただけたのではないでしょうか。
重要なのは、AIに仕事を奪われると恐れるのではなく、AIを「賢い部下」や「頼れる相棒」として積極的に使いこなすという視点です。面倒な単純作業や時間のかかる情報収集はAIに任せ、人間は人間にしかできない創造的な思考、複雑な意思決定、そして人とのコミュニケーションに集中する。これこそが、これからの時代に求められる新しい働き方です。

まずは、本マニュアルで紹介した小さな事例からでも構いません。ぜひ、あなたの業務にAIを取り入れてみてください。その一歩が、あなたの生産性を飛躍的に高め、仕事の質を向上させ、そして何よりも、仕事の「楽しさ」を取り戻すきっかけになるはずです。
参考文献
[1] 株式会社ディー・エヌ・エー. (2024). DeNA AI活用100本ノック (AI 100 tips) slide. Retrieved from https://fullswing.dena.com/pdf/AI_100tips_slide.pdf

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