前回の第1回では、OpenClawの基本概念と主要機能について解説しました。「AIに質問する」のではなく「AIに業務を任せる」という、従来の対話型AIとは根本的に違うアプローチだということを理解いただけたと思います。
今回はいよいよ、OpenClawを実際にインストールするところまでを解説します。この記事の手順通りに進めれば、OpenClawとClaude Codeの環境構築が完了し、AIエージェントを動かす準備が整います。
なお、本記事ではmacOSでの手順を解説します。OpenClawはWindows(WSL2経由)やLinuxでも動作しますが、私自身がクライアントへの導入で使っているのはMac環境なので、実際の運用実績がある環境に絞ってお伝えします。
前回の記事はこちら:OpenClawとは?AIエージェントの概念から始める実用的な自動化ツール入門
準備するもの
作業を始める前に、以下を用意しておいてください。
必須
- Mac(macOS搭載のPC。Mac miniでもMacBookでもOK)
- AIプロバイダーのアカウント(以下のいずれか)
- ChatGPTのサブスクリプション(Plus / Pro)※ 現在の推奨
- AnthropicのAPIキー(従量課金)
あると便利
- ターミナルの基本操作に慣れていること(コマンドをコピー&ペーストできればOK)
所要時間の目安は1〜2時間程度です。ターミナル操作に慣れている方なら1時間以内で終わりますが、初めての方はエラー対応を含めて余裕を持って取り組んでください。
AIプロバイダーについての重要な補足
2026年4月4日より、Anthropic社のサブスクリプション(Pro / Max)では、OpenClawなどのサードパーティツールの利用がカバーされなくなりました。詳しい経緯は「OpenClawが使えなくなる!? Claudeのサブスク仕様変更と今すぐやるべき対策完全マニュアル」を参照してください。
現在OpenClawを使う場合、最も手軽なのはChatGPTのサブスクリプション経由での利用です。OpenClawの開発者であるPeter Steinberger氏自身が「GPTの方が信頼性が高い」と発言しており、ChatGPTへの移行を推奨しています。移行手順の詳細は「OpenClawがClaudeで使えなくなった!ChatGPT(Codex)への移行手順を完全図解」で解説していますので、あわせて確認してください。
もちろん、AnthropicのAPIキー(従量課金)を使えばClaude(Opus 4.6等)でも引き続き利用可能です。ただし使用量に応じた料金が発生するため、コスト管理には注意が必要です。
ステップ1:Homebrewのインストール
Homebrewは、Macにソフトウェアを簡単にインストールするための管理ツールです。Macの「ターミナル」アプリを開いて、以下のコマンドをコピー&ペーストして実行してください。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
インストールが完了すると、画面に「Next steps」として追加のコマンドが表示されます。表示された内容は環境によって異なりますが、以下のような形式です。
echo >> /Users/あなたのユーザー名/.zprofile
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv zsh)"' >> /Users/あなたのユーザー名/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv zsh)"
この3行を1行ずつコピー&ペーストして実行します。「あなたのユーザー名」の部分は、画面に表示されたものをそのまま使ってください。
すでにHomebrewがインストール済みの場合は、このステップはスキップしてOKです。
ステップ2:Node.jsのインストール
OpenClawの動作にはNode.js(バージョン22以上)が必要です。先ほどインストールしたHomebrewを使って入れます。
brew install node@22
これだけで完了です。
ステップ3:OpenClawのインストール
いよいよOpenClaw本体のインストールです。以下のコマンドを実行してください。
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
実行すると、いくつかの質問が表示されます。以下の通り選択してください。
- 最初の確認 → YES を選択
- セットアップモード → Quickstart を選択
- AIプロバイダー → 利用するプロバイダーを選択
AIプロバイダーの選択肢は複数ありますが、現在の推奨は以下の2つです。
ChatGPTサブスクリプションを使う場合(推奨)
- AIプロバイダー → OpenAI を選択
- 認証方式の指示に従い、ChatGPTアカウントで認証を行います
AnthropicのAPIキーを使う場合
- AIプロバイダー → Anthropic を選択
- APIキーを入力します(Anthropic管理画面で取得)
ChatGPTサブスクリプション経由のセットアップ手順は「OpenClawがClaudeで使えなくなった!ChatGPT(Codex)への移行手順を完全図解」で画面スクリーンショット付きで解説していますので、そちらを参照してください。
以下のステップ4・5は、Anthropic(APIキー)を選択した場合の手順です。ChatGPTを選択した場合は画面の指示に従って認証を完了すれば問題ありません。
ステップ4:Claude Codeのインストールとトークン取得(Anthropic APIキー利用時)
Anthropicを選択した場合、Claude Codeのセットアップとトークン取得が必要になります。ChatGPTを選択した場合はこのステップはスキップしてください。
新しいターミナルウィンドウを開きます(メニューバーの「シェル」→「新規ウィンドウ」)。
以下のコマンドを順番に実行してください。
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc && source ~/.zshrc
claude
claudeコマンドを実行すると、初期設定が始まります。
- カラー設定 → 好みの color を選択
- 認証方式 → 1 を選びます(サブスクリプション範囲で使用)
- 表示されたURLをブラウザで開いて認証します
- 認証後に表示されたURLをターミナルに貼り付けます
- 続く選択肢は 1 → 1 と選択します
Claude Codeが起動したら、一度 exit と入力して終了してください。
次に、OpenClaw用のセットアップトークンを取得します。
claude setup-token
ブラウザで認証画面が開くので「承認する」を選択してください。すると、ターミナルに黄色い文字でセットアップトークンが表示されます。このトークンをコピーしてください。
ステップ5:OpenClawにトークンを貼り付ける(Anthropic APIキー利用時)
ステップ3で開いたままにしていたターミナル画面に戻ります。「Paste Anthropic setup-token」の入力待ちになっているはずです。
先ほどコピーしたセットアップトークンを貼り付けてEnterを押してください。
続けて以下の設定を行います。
- TOKEN NAME → そのままEnter(デフォルトでOK)
- モデル選択 → claude-opus-4-6 を選びます
- チャンネル選択 → ここでは一旦スキップしてもOKです(第4回のDiscord連携で設定します)
これでOpenClawのインストールと認証は完了です。
基本的な操作コマンド
セットアップ後、ターミナルからOpenClawを操作する際によく使うコマンドをまとめておきます。
# OpenClawの起動
openclaw gateway start
# OpenClawの停止
openclaw gateway stop
# 再起動(設定変更後に必要)
openclaw gateway restart
# 状態確認
openclaw gateway status
# 全体ステータス確認
openclaw status
# ダッシュボード(Web管理画面)を開く
openclaw dashboard
PCを再起動した場合は openclaw gateway start で再度起動する必要があります。
能力モードの変更
OpenClawは初期状態では「messaging」モード(メッセージの送受信のみ)で動作します。ファイル操作やブラウザ操作など、エージェントの能力をフルに使いたい場合は、以下のコマンドで「full」モードに切り替えてください。
sed -i.bak 's/"profile": "messaging"/"profile": "full"/' ~/.openclaw/openclaw.json
変更が反映されたか確認します。
cat ~/.openclaw/openclaw.json | grep profile
"profile": "full" と表示されれば成功です。変更後は openclaw gateway restart で再起動してください。
ただし、fullモードではエージェントがPC上のファイルやブラウザを操作できるようになるため、セキュリティには十分注意してください。最初はmessagingモードで試してみて、慣れてからfullモードに切り替えることをおすすめします。
エージェントの設定ファイル
OpenClawのエージェントは、以下の設定ファイルで人格や行動ルールを定義します。
SOUL.md:エージェントの性格、口調、価値観を定義するファイルです。名前、一人称、コミュニケーションスタイルなどを記述します。
USER.md:エージェントが仕えるユーザー(あなた)の情報を定義するファイルです。名前、会社、呼び方のルールなどを記述します。
AGENTS.md:エージェントの基本ルール、メモリの扱い方、安全性のガイドラインを定義するファイルです。
IDENTITY.md:エージェントの名前、雰囲気、絵文字などの自己定義ファイルです。
HEARTBEAT.md:エージェントが定期的に実行するタスクのチェックリストです。サイレント時間(通知を控える時間帯)の設定もここで行います。
各ファイルの詳しい書き方は、次回の第3回「初めてのエージェント作成」で解説します。
よくあるトラブルと対処法
OpenClawのインストールで「node not found」と出る場合
Node.jsのパスが通っていない可能性があります。ステップ1のHomebrewの「Next steps」で表示されたコマンドを再度実行してみてください。
セットアップトークンの取得でエラーが出る場合
Claude Codeの認証が切れている可能性があります。claude コマンドを実行して再認証してから、claude setup-token をやり直してください。
まとめ
今回の手順で、OpenClawとClaude Codeの環境構築が完了しました。次回の第3回ではSOUL.mdやHEARTBEAT.mdを設定して、エージェントの人格と行動ルールを作り込んでいきます。第4回ではDiscordと連携して、実際にAIエージェントに話しかけられる環境を構築します。
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