OpenAI DevDay 2026総まとめ|dots・GPT-6.1 Solなど25の新発表で仕事はどう変わる?
「AIに聞くたびに、背景を説明して、回答を別の資料へコピペして、次の作業をまた頼む……」。その手間が大きく変わりそうです。
2026年9月29日(米国時間)に開催されたOpenAI DevDayでは、仕事を継続して担うAI「dots」、Astraに迫る性能を低い単価で提供する「GPT-6.1 Sol」、人とAIが同じ資料を編集する「ChatGPT Space」などが発表されました。
注目したいのは、AIへの質問、実際の作業、成果物の編集、チームへの共有が、つながり始めていることです。企画書を作る人、会議後の対応に追われる人、社内業務を自動化したい人にも関係する発表が並んでいます。
OpenAIの公式まとめの表現は「20を超える主要な発表」。本記事では、その個別見出しに沿って25項目を整理しました。すべてが新しいモデルというわけではなく、既存機能の刷新、限定プレビュー、今後の提供予定も含まれます。
この記事でわかること
- 25の発表で、それぞれ何ができるようになるのか
- GPT-6.1 Solの「Astraの5分の1の価格」とUltrafastの「最大8倍」の正確な意味
- 自分のプランで使える機能、まだ待つ必要がある機能
- 営業・企画・管理部門・開発チームが、どこから試すとよいか
※2026年9月30日時点の公式情報を確認しています。段階的な展開や管理者設定により、対象プランでも表示されない場合があります。提供条件は英語の公式発表と個別の公式ドキュメント・ヘルプを優先しています。本文の業務例は、特記のない限り機能を説明するための活用案です。
まず押さえたい3つの変化
今回の発表を理解するには、次の3つを押さえると見通しがよくなります。
| 変化 | 中心となる発表 | 仕事での意味 |
|---|---|---|
| AIが継続的に担当を持つ | dots、クラウド実行、Team Tasks | 途中で終わった作業や繰り返し業務を、人が毎回最初から説明する負担を減らす |
| 高性能AIの使い方を選べる | GPT-6.1 Sol、Ultrafast、Private Intelligence | 難しさ、待ち時間、費用、データ管理の条件に合わせて選択する |
| 成果物を人とAIで育てる | Space、Pages、共同編集スライド、プラグイン | 会話の回答を、修正・共有・再利用できる業務の成果物につなげる |
たとえば営業提案なら、dotsに資料収集を任せ、Spaceに根拠と提案書をまとめ、Pages上で担当者とAIが修正する流れが考えられます。どこまで接続・実行できるかは、利用プランと許可したツールによって変わります。
25の発表を一覧で確認
まず全体を把握したい方は、こちらの表をご覧ください。「提供開始」は無条件に全員へ表示される意味ではありません。詳しい制約は各項目で説明します。
| 番号 | 発表 | 何が変わる? | 9月30日時点の主な状況 |
|---|---|---|---|
| 1 | dots | 継続的に仕事を担う個人向けAI | 対象地域のPro、Business Premiumなどへ展開。組織向けは別条件 |
| 2 | GPT-6.1 Sol | Astraに迫る性能と低いAPI単価 | API、Plus以上のWork・Codex。通常Chatは未提供 |
| 3 | Astra Ultrafast | Astraのトークン生成を高速化 | API、Pro 500・対象Enterprise/Edu。Sol版は今後 |
| 4 | Private Intelligence | 機密データを扱うための保護を強化 | PSPは適格組織向け。Private Inferenceは今秋プレビュー予定 |
| 5 | Codex in the cloud | PCを閉じてもクラウドで作業を継続 | 対象の有料プランで提供 |
| 6 | Codex CLI刷新 | 音声、複数エージェント、操作画面を改善 | 全プラン向け。モデル・利用枠は契約次第 |
| 7 | Code Review | 変更内容のレビューを集約 | 全プラン向け。GitLab連携はプレビュー |
| 8 | Codex Security Cloud | クラウドで脆弱性を調査・検証 | Pro・Business・Enterprise・Edu向け研究プレビュー |
| 9 | Decisions API | 限られた選択肢から判断するAPI | 限定プレビュー。数日以内に提供拡大予定 |
| 10 | Agents APIのComputer use | 自社アプリのAIがブラウザ操作 | APIで提供。保存・地域などの条件あり |
| 11 | Bedrock Managed Agents | AWS上でOpenAIのエージェント基盤を利用 | プレビュー |
| 12 | Plugin Extensions | ChatGPT内に外部ツールの操作画面 | 対応プラグインで利用。Free/GoのWeb版は近日予定 |
| 13 | プラグイン制作・公開・発見の改善 | 作って配布し、見つけてもらう流れを改善 | 公開時の審査・本人/事業者確認あり |
| 14 | Sitesへのプラグイン搭載 | 社内Webツールに接続データを表示 | 対象workspace内の非公開Sitesで利用 |
| 15 | MCP Events | 外部の出来事をきっかけに作業を起動 | 対応サーバー・プラグインが必要 |
| 16 | ChatGPT Space | 人とAIの共有作業場所 | Pro・Business・Enterprise。モバイル編集は今後 |
| 17 | Pages | AIと共同編集できる文書 | Pro・Business・Enterprise |
| 18 | 共同編集スライド | 人とAIが同じ資料を同時編集 | Pro・Business・Enterprise向け、今後数週間で提供予定 |
| 19 | Teams/Team Tasks | チームの定期業務を共同管理 | Business・Enterpriseへ段階展開 |
| 20 | Slack/Teamsの@ChatGPT | 会話の場でAIに仕事を依頼 | Business・Enterprise。組織の設定が必要 |
| 21 | Meetingsプラグイン | 会議ノートから次の仕事へつなぐ | macOS・Pro/Businessのベータ。Enterpriseは限定alpha |
| 22 | 共有プロフィール | 作品や活動をまとめて紹介 | 個人・Business向け。Enterpriseは近日予定 |
| 23 | Sign in with ChatGPT | 外部アプリへのログイン・契約枠利用 | 参加サービス限定。ログインと利用枠共有は別 |
| 24 | Pro 500 | 最上位の個人向け利用枠とUltrafast | 月額500米ドル |
| 25 | OpenAI Marketplace | 企業契約の一部をパートナー製品へ充当 | 対象Enterprise顧客向けの受付 |
1〜4:AIの能力・速度・任せ方が変わる
1.dots:あなたの仕事を継続して担うAI
今回、一般のビジネスユーザーにとって特に大きな発表がdots(ドッツ)です。GPT-6 Astraを使い、独自のクラウド上のコンピューターとブラウザを持って、仕事を進めます。
依頼のたびに完結するやり取りに加え、担当する仕事や文脈を保ちながら、必要な調査・資料作成・フォローアップを続けられるのが特徴です。必要に応じて別のタスクに作業を分担し、人の判断が必要な場面では確認します。

たとえば「来月のセミナー準備」を任せるなら、企画メモ、必要な制作物、締め切り、未決事項を共有し、進んだところから原稿やチェックリストを整えてもらう使い方が考えられます。単発の「告知文を書いて」よりも、何を担当し、何ができれば完了かを伝える価値が高くなります。
クラウド側の作業は、自分のPCを閉じても継続できます。ただし、接続した手元のPCを操作する場合は、そのPCがオンラインで、ChatGPTアプリも開いている必要があります。「PCを閉じても動く」は、手元のすべてのアプリを常時操作できるという意味ではありません。
利用は、対象地域の18歳以上のProユーザーやBusiness Premiumなどへ段階的に展開されています。個人ProはEEA・英国・スイスを除く地域が対象。Enterpriseでは管理者による有効化などの条件があります。企業の専門業務向けdotsは限定プレビューとして区別されています。
dotsとの会話と、dotsがWork・Codexに任せる本格的な作業では、利用枠の扱いも異なります。委任されたタスクには通常のWork・Codexの利用条件が適用されます。まずは担当範囲、利用できる資料、外部送信や公開前の確認、成果物の保存先を具体的に決めると運用しやすくなります。
2.GPT-6.1 Sol:Astraに迫る実力を、標準API単価の5分の1で
GPT-6.1 Solは、GPT-6 Solを強化したモデルです。コードの修正、複雑な文書の理解、アプリの操作、複数の手順が必要な仕事で性能が向上しています。
OpenAIは、Astraに迫る能力を持ちながら、標準の入力・出力トークン単価をAstraの5分の1にしたと説明しています。トークンは、AIが文章などを処理するときの量を数える単位です。
| モデル | 入力100万トークン | キャッシュ済み入力100万トークン | 出力100万トークン |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | 10ドル | 1ドル | 50ドル |
| GPT-6.1 Sol | 2ドル | 0.10ドル | 10ドル |
| GPT-6 Luna | 0.10ドル | 0.01ドル | 0.50ドル |
※APIの標準料金、米ドル。入力272,000トークン以下の場合。長い入力、速度設定、ツール利用などには別条件があります。ChatGPTの月額料金ではありません。キャッシュ済み入力とは、対応条件の下で再利用できる入力部分です。

たとえば、1回の入力を272,000トークン以下にした複数のリクエストで、合計の非キャッシュ入力100万・出力10万トークンを使った場合、標準のモデル料金だけならAstraは15ドル、Solは3ドルです。ただし、実際に使うトークン量ややり直し回数が変われば、仕事全体の費用の比率も変わります。
「安くなったけれど、どの程度できるのか」も気になるところです。公式評価では、複雑なソフトウェア修正を測るDeepSWE 1.1で、Astraと同等のスコアを約5分の1の課題当たり費用で達成。アプリ操作を測るOSWorld 2.0のオフライン評価では、最大推論設定でAstraとの差を2.1ポイントまで縮めています。
一方、OpenAIは総合的な能力ではAstraを最上位と位置づけています。これらは特定の評価環境での結果であり、あらゆる仕事が同じ品質・費用になる保証ではありません。重要な仕事でモデルを切り替えるときは、普段の資料や作業で、正確さ・修正回数・費用を比較するのが現実的です。
提供先も確認しましょう。GPT-6.1 SolはAPIと、Plus・Pro・Business・Enterprise・EduのChatGPT Work/Codexで利用できます。通常のChatにはまだ提供されていません。公式発表にも次のように明記されています。
“GPT‑6.1 Sol is not yet available in Chat.”
日本語訳:GPT-6.1 Solは、Chatではまだ利用できません。
APIのモデルIDは gpt-6.1-sol。最大約105万トークンのコンテキストに対応し、テキストと画像を入力して、テキストを出力します。大量の情報を一度に扱えることと、内容を必ず正確に理解することは別なので、重要な数字や出典の確認は残ります。
出典:GPT-6.1 Solの公式発表、モデル仕様、API料金
3.Astra Ultrafast:生成速度を上げる新しい選択肢
Astra Ultrafastは、Astraを高速に動かすための速度設定です。OpenAIは、Codexではトークン生成が最大8倍、APIでは最大6倍になるとしています。
ここでいう速度は、文章やコードを生成する速さです。外部サイトの読み込み、テスト、ファイル処理などの待ち時間まで消えるわけではなく、仕事全体が必ず8分の1の時間で終わるという意味ではありません。
| 見るべき指標 | Astra Ultrafastの条件 |
|---|---|
| トークン生成速度 | Codexで最大8倍、APIで最大6倍 |
| 対象のChatGPT契約 | Pro 500、対象のEnterprise/Edu。管理者・地域などの条件あり |
| 含まれる利用枠の消費 | 標準速度に対して8倍 |
| 購入クレジット等の消費 | 標準速度に対して6倍 |
| API標準単価の例 | 入力60ドル・出力300ドル/100万トークン。短い入力条件の場合 |
会議中の追加調査、細かな修正を繰り返す開発など、待ち時間を減らす価値が大きい場面で候補になります。常に速い設定にするかは、費用と利用枠の消費も合わせて判断したいところです。
GPT-6.1 SolのUltrafast版は今後の提供予定です。また、Ultrafastには処理地域の制約があり、米国外の推論地域を必須とする環境では利用できない場合があります。
出典:速度設定の公式ガイド、Ultrafast APIガイド
4.Private Intelligence:機密情報を扱うための保護を強化
Private Intelligenceは、機密データをAIに扱わせる企業に向けた取り組みです。主に、Private Safety Processing(PSP)を伴うZero Data Retention(ZDR)と、Private Inferenceが紹介されました。
PSPは、安全性の自動確認を行いながら、OpenAIの担当者が内容を読む経路を作らないための仕組みです。対象となる暗号化記録は、顧客が管理するストレージへ保存します。ZDRの適格性・承認や、保存先・権限の設定が必要です。
ここで「データが一切、どこにも保存されない」と理解すると不正確です。公式ガイドでは、顧客側で安全確認用の暗号化記録を最低30日間保持するとされています。OpenAI側にも索引や運用メタデータなどが残ります。
Private Inferenceは、機密コンピューティングなどを組み合わせた保護で、今秋のプレビュー予定。一般のチャットに追加された無料スイッチではなく、企業のデータ管理要件に関係する発表です。
出典:Private Safety Processing公式ガイド、DevDay公式発表
5〜11:CodexとAPIで、開発・自動化を進めやすく
5.Codex in the cloud:手元のPCを閉じても作業が続く
Codexのクラウド実行では、コードや必要な道具をそろえた作業環境を用意し、そこでAIに仕事を進めてもらえます。自分のPCがスリープしても、クラウド側の作業は続きます。
今回の仕組みでは、使うリポジトリ、開発ツール、依存関係、ネットワークの条件などを含む環境を準備・確認し、再利用できます。新しいタスクごとに、分離した作業場所が作られます。Plus・Pro・Businessなど、対象の有料プランで利用できます。
たとえば「不具合の原因調査と修正案・テストまで」を依頼し、後で結果を読む使い方です。確認後にコードへ取り込む流れまで決めると、作業の受け渡しが明確になります。
なお、新しいCodex Cloud環境では、現時点でブラウザ/コンピューター操作は未対応とされています。後述するAgents APIのブラウザ操作とは別の提供機能です。
6.Codex CLI刷新:声での指示や複数作業の管理を改善
CLIは、開発者が文字のコマンドを入力して作業する画面です。Codex CLIの刷新では、音声でタスクを始めたり、進行中の方針を変えたりする操作、複数エージェントの状況を確認する /agents 画面、入力・再開・作業場所の管理が紹介されました。
調査、修正、テストなどの分担状況を見やすくする方向の改善です。利用は全プラン向けとされていますが、選べるモデルや利用量は契約条件に従います。
セッション再開などには従来から存在する機能もあるため、すべてが今回初めて登場したわけではありません。日々の開発で使う一連の操作が整理・改善された発表として捉えるとわかりやすいでしょう。
7.Code Review:コードの変更を確認する仕事を集約
Code Reviewでは、コードの変更内容、説明、コメント、チェック結果などを見ながら、AIによる確認を進められます。複数プロジェクトを扱う開発者が、自分やチームに関係するレビューをまとめて追いやすくなります。
GitHubに対応し、GitLabのマージリクエスト連携はプレビューです。利用には対象の接続・リポジトリへのアクセス設定が必要で、チャットでレビューを頼むだけで、コメント投稿や承認、変更の取り込みまで自動実行するものではありません。
「AIが修正したコードを人が読む」「人が書いたコードをAIが一次確認する」といった相互確認を、普段の開発の流れに組み込みやすくする機能です。
8.Codex Security Cloud:脆弱性をクラウドで調べ、根拠を示す
Codex Security Cloudは、GitHubのコード全体や新しい変更を調べ、脆弱性の候補を検証する仕組みです。再現できるものは隔離した環境でテストし、重要度、根拠、修正案を提示します。
Pro・Business・Enterprise・Edu向けの研究プレビューで、Webとデスクトップから利用するCloudプラグインです。既存のローカル向けSecurity機能とは区別します。
開発チームにとっては、大量の警告から、根拠を確認できるものを優先して調べやすくなる点が注目です。ただし、見逃しや誤検知はあり得ます。修正を自動で本番へ適用する機能ではなく、人が内容を確認して取り込みます。
9.Decisions API:選択肢を絞った判断を、業務に組み込む
APIとは、自社アプリなどからAIの機能を呼び出す仕組みです。Decisions APIは、Lunaの能力を使い、事前に決めた質問と限られた選択肢に対して判断する用途を想定しています。入力はテキストや画像です。
たとえば問い合わせを「請求・不具合・購入相談」に分類したり、書類を「情報がそろっている・不足あり・人が確認」に振り分けたりする活用が考えられます。自由な長文生成より、次に進める処理を選ぶ場面に向いています。
発表時点は限定プレビューで、数日以内に提供を広げる予定です。本記事の確認時点では、詳細な公開仕様や料金は確認できていません。
10.Agents APIにComputer use:自社アプリのAIがブラウザを操作
Agents APIは、複数ステップの仕事を進めるAIをアプリに組み込むための基盤です。今回、OpenAIが管理するブラウザを操作するComputer useが追加されました。
Web上の情報を集める、画面を確認する、許可されたWebアプリで作業する、といった処理をつなげられます。APIの利用料金には、モデルやツール、クラウドの実行環境の料金が関係します。APIを使うために、個人のPro 500契約が必須という意味ではありません。
現状では米国のデータレジデンシーのみで、ZDRには非対応。実行環境だけを自社側に置いても、この条件は変わりません。また、サイトへのアクセス許可と、購入・削除など個々の操作の承認は別です。業務に入れる際には、実行できる操作と人が確認する箇所を設計する必要があります。
出典:Agents API概要、Computer useガイド
11.Bedrock Managed Agents:AWS上でOpenAIの基盤を使う
AWSと共同開発したBedrock Managed Agents, powered by OpenAIも発表されました。OpenAIのモデルと、Codexで使われる作業進行の仕組みを、Amazon Bedrockで利用します。提供段階はプレビューです。
AWS上で既にデータやシステムを管理している企業にとって、既存の認証・権限・ネットワークの設計に組み込みやすくなる方向の発表です。
OpenAIのAgents APIで「実行環境だけAWSにする」構成とは異なり、こちらは管理処理とモデル推論もAWS側で行います。対応モデル・リージョン・料金はAWS側の条件を確認する必要があります。
12〜15:ChatGPTと外部ツールの連携が広がる
12.Plugin Extensions:チャットの中に、ツールの操作画面が入る
プラグインは、外部ツールや仕事の手順をChatGPTへ追加する仕組みです。Plugin Extensionsでは、サイドバーのアプリ、会話横のパネル、ファイルの閲覧・編集画面など、画面上の操作部分も拡張できます。
公式には、Canvaのデザインプレビュー、Figmaのファイル検索・メンション、Adobeのファイル編集などの例が示されています。文章で指示しながら、実物を隣で確認・修正する仕事に向いています。
対応する操作はプラグインごとに異なります。Free/GoのWeb版Extensionsは近日予定で、入力欄のメンション機能はデスクトップのみ。全プランですべての操作が同時に使えるという意味ではありません。
13.プラグインの制作・公開・発見を改善
プラグインを作る側には、既存のSkillsやMCPをまとめ、制作を支援する仕組みが用意されています。Skillsは仕事の手順・知識を再利用するもの、MCPはAIと外部の情報・機能を接続する共通の仕組み、と考えるとイメージしやすいでしょう。
たとえば、社内の提案書作成ルールと、参照する業務ツールをひとまとめにして配布する用途が考えられます。公開ディレクトリでは、ランキングやおすすめ、会話の中での発見も改善されます。
公開配布には、パッケージの自動チェック、審査、本人または事業者の確認などがあります。作れたことと、公開審査に通ったことは別です。
14.Sitesにプラグインを搭載:社内ツールに自分のデータを表示
ChatGPTで作るSitesにも、プラグインを使ったデータ連携が広がります。たとえば同じ社内ダッシュボードを開いても、AさんにはAさんの担当案件、BさんにはBさんの未完了タスクを表示する、といった使い方です。
ここで使うのは、各閲覧者が接続し、許可したアカウントのデータです。サイト作者のアカウントが全員へ配られるわけではありません。
対象は、有効化されたBusiness・Enterprise・Healthcare・Eduなどのworkspace内で使う非公開Sites。書き込み操作には追加の設定や同意、明示的な操作が必要です。一般公開のWebページに、そのまま社内データを見せる機能ではありません。
出典:Sites公式ガイド
15.MCP Events:出来事をきっかけにAIが動く
MCP Eventsは、メッセージの到着、文書の更新、ステータス変更などを、AIの作業開始につなげるための仕組みです。
「問い合わせが来たら、関連資料を集めて返信案を作る」「レビューコメントが付いたら、修正案を用意する」といった、出来事をきっかけにした自動化が考えられます。決まった時刻に実行する方法に加え、必要なタイミングで仕事を始めやすくなります。
対応するサーバー・プラグインの実装が必要です。現行ガイドではMCP 2.0に対応したWebhook方式を使い、イベント仕様はドラフト段階。すべての外部アプリで、設定なしに使える機能ではありません。
16〜22:人とAIが同じ場所で、成果物を仕上げる
16.ChatGPT Space:資料・会話・AIの仕事をまとめる場所
ChatGPT Spaceは、ファイルやPagesを集め、人・ChatGPT・dotsが共同作業するための場所です。案件やチームごとに資料をまとめ、回答を保存し、その後も編集していけます。
たとえば新商品を企画するなら、市場調査、会議メモ、企画書、未決事項を近くに置き、必要な資料を参照しながらAIへ修正を頼めます。Google Driveなどの関連情報も、接続と権限の範囲で利用します。

Pro・Business・Enterprise向けにWeb・デスクトップで提供されます。モバイルでは検索・閲覧・共有ができ、作成・編集は今後の予定です。
共有時には、閲覧・コメント・編集などの権限を選びます。Spaceを共有すると、その中のページにもアクセスが及ぶため、「1ページだけ見せたい」のか「案件全体で共同作業したい」のかを決めて共有すると整理しやすくなります。
17.Pages:AIと直接直せる、仕事の文書
Pagesは、Spaceの中で編集する文書です。見出し、表、画像、ファイル、コード、子ページなどを組み合わせ、人が直接書くことも、ChatGPTに修正を頼むこともできます。
文章の一部を選んで「根拠を補って」「ここを初心者向けに」と依頼したり、担当者がコメントしたりできます。さらに、計算ツールや図解などのインタラクティブな要素も作れます。
企画書に比較表と試算用の計算機を置く、業務手順に参照ファイルと再利用プロンプトを付ける、といった使い方が考えられます。Pro・Business・Enterpriseが対象です。
なお、Pagesを作っただけで情報が自動的に常時更新されるわけではありません。誰が、何をきっかけに更新するかは、AIへの指示や自動実行の設定と合わせて決めます。
出典:Pages公式ガイド
18.共同編集スライド:人とAIで同じ資料を同時に直す
会話や手持ちのテンプレートからスライドを作り、複数人とAIが同時編集・コメントできる機能も発表されました。ChatGPT内での発表や、PowerPoint・Google Slidesへの書き出しが予定されています。
企画担当が構成、営業担当が顧客事情、AIが図表や文章の修正を担当するような共同制作が想定できます。
Pro・Business・Enterprise向けに、今後数週間で提供予定です。現在のスライドファイル生成機能と、新しく発表された共同編集の提供時期は区別しておきましょう。
19.Teams/Team Tasks:担当者の自動化を、チームの業務にする
Business・Enterprise向けのTeamsとTeam Tasksでは、資料や繰り返し業務をチームで管理できます。予定時刻や対応イベントをきっかけにクラウドで実行し、権限のあるメンバーが結果確認や指示変更を行います。
たとえば毎週の顧客状況の整理、定例会議の準備、プロジェクトの進捗報告などです。作成した人の個人タスクではなく、チーム用の実行アカウントと、設定された会社の接続を使います。
利用にはworkspaceのクレジットが使われ、個人とは別のチーム向け予算上限があります。誰が結果を見られるか、接続先でどんな操作ができるか、月にどの程度動かすかを一緒に設定することが運用のポイントです。
20.Slack/Microsoft Teamsで@ChatGPT:会話の場から仕事を頼む
Business・Enterpriseの組織は、SlackやMicrosoft Teamsの会話にChatGPTを組み込み、メンションで質問、要約、文案作成などを依頼できます。
「このスレッドの決定事項と次の担当を整理して」と、その場の文脈を使って頼めるのが利点です。会社が設定した接続を使った業務にもつながります。
組織による導入・有効化が前提で、個人のChatGPTライセンスがない参加者との共同作業にも対応する設計です。ただし、個人の会話履歴・メモリや、すべての非公開チャンネルの閲覧権限を自動で引き継ぐものではありません。共有会話に返した内容は参加者に見えるため、利用する情報の範囲を決めて使います。
21.Meetings:会議ノートを作り、決まった仕事を始める
Meetingsプラグインは、会議へ専用ボットを参加させずに、Macのマイクとシステム音声を使って会議ノートを作ります。文字起こし、自分のメモ、許可済みの関連情報から、要約やアクション項目をSpaceのページにまとめます。
さらに、アクション項目を確認・修正してから、ChatGPTに作業を始めさせられます。会議後のフォローアップメールや計画更新を、ノートからつなげる使い方です。
現時点はmacOSのPro・Business向けベータ。Enterpriseは限定alpha、Windows・iOS・Androidは近日予定です。従来のRecord機能とは別です。
会議の記録を始める前に、参加者への周知と同意が必要です。音声はノート完成後に削除されるため、録音を後から再生する用途には向きません。
22.共有プロフィール:作ったツールや活動を紹介
共有プロフィールでは、名前・画像・活動と、自分が選んだSitesなどをまとめて紹介できます。社内で「誰がどんなツールを作ったか」を探す入口にもなります。
個人プロフィールは初期状態が非公開。公開設定にした場合も、閲覧にはChatGPTへのログインが必要です。Businessでは同じworkspace内の共有が基本で、Enterpriseは個別ヘルプ上では近日予定です。
会話のタイトルや本文はプロフィールに表示されません。また、作品を並べても、その作品自体の閲覧権限が広がるわけではありません。利用量の表示も、成果や実力をそのまま証明する数字ではない点は押さえておきたいところです。
23〜25:料金・外部アプリ・企業の購入方法も変わる
23.Sign in with ChatGPT:対応アプリでChatGPTの契約枠を使う
Sign in with ChatGPTには、アカウントでログインする機能と、参加アプリでChatGPTの利用枠を使う機能があります。この2つは別です。
Plus・Proでは、対応する外部アプリのAIリクエストに、既存のWork・Codex利用枠を使えます。利用者がAPIキーを作って渡す必要はありません。公式ガイドにはDevin、Notion、Vercelなどの参加サービスや、OpenClawなどのオープンソースの例があります。
ただし、ログイン対応だけのサービスもあり、すべてが契約枠を使えるわけではありません。新しい別枠が増えるものでもなく、外部アプリ自体の有料機能やインフラ料金が別に必要な場合があります。
アプリごとの利用上限を設定でき、会話履歴やメモリが自動的に共有されることもありません。開発者向けの商用連携は、選定パートナーによる限定試験です。
出典:契約枠を外部アプリで使う公式ヘルプ、対応サービス・開発者向け案内
24.Pro 500:月額500ドルの上位プラン
新しいPro 500は、月額500米ドルの個人向け上位プランです。OpenAIはPlusの25倍の利用枠を案内しており、Proプランの中でAstra Ultrafastを使えるのは、発表時点ではこの500ドルのプランです。
ただし、500ドルなら無制限というわけではありません。Ultrafastは含まれる利用枠を標準速度の8倍消費します。仕事の待ち時間を減らすために、どの程度追加費用を払う価値があるかで選ぶプランです。
Pro 200の新規受付再開も案内されていますが、新規の利用枠は従来より低くなっています。条件に該当する既存利用者の旧枠維持は2026年10月29日までとされているため、200ドルプランを利用中の方も公式ヘルプを確認してください。
25.OpenAI Marketplace:企業のAI調達をまとめやすく
OpenAI Marketplaceは、対象のEnterprise顧客が、既存のOpenAI契約で約束した利用額の一部を、承認済みのパートナーソフトウェアへ充当できる仕組みです。
Adobe、Figma、Notion、Salesforce、Vercelなど、最初の32社が紹介されています。企業が複数のAI関連サービスを購入するときの契約・調達に関係する発表です。
個人のPro契約を外部アプリで使うSign in with ChatGPTとは別で、すべての企業が追加費用なしですぐ購入できる意味ではありません。対象のEnterprise顧客向けに、問い合わせ・購入希望の受付が案内されています。
結局、どこから使えばよい?職種別の始め方
一度に25個を使いこなす必要はありません。いま時間がかかっている仕事を1つ選び、成果物の品質と確認の手間まで含めて試すのがおすすめです。
| 普段の仕事 | 最初に注目したい機能 | 小さく試す例 |
|---|---|---|
| 営業・コンサルティング | Space、Pages、Meetings | 1案件の会議メモと提案書をまとめ、次回提案の下書きまで作る |
| 企画・マーケティング | dots、Pages、Plugin Extensions | 1企画の調査・原稿・確認事項を継続して整理する |
| 事務・管理・顧客対応 | Team Tasks、MCP Events、Slack/Teams | 定例報告や問い合わせの分類・返信案を、人の確認付きで試す |
| 開発チーム | GPT-6.1 Sol、Codex Cloud、Code Review | 実際の小さな修正を、品質・費用・所要時間で比較する |
| 情報システム・AI導入担当 | Private Intelligence、Agents API、Bedrock | 保存先・権限・運用環境の要件に合わせて構成を比較する |
最初の検証では、「何分短くなったか」だけでなく、誤りの数、やり直し回数、人が確認した時間、使った料金・利用枠を記録すると、次に広げるべき仕事が見えてきます。
dotsや定期タスクへ任せる場合は、完成形だけでなく、使ってよい資料と、外部への送信・公開前に確認する箇所も伝えましょう。モデルの能力が上がるほど、任せる業務の範囲を整理する価値も大きくなります。
よくある疑問
無料プランでも、今回の25機能を全部使えますか?
使えません。CLIやプラグイン関連の発表にも、モデルの利用枠や対応画面などの条件があります。Space、dots、Meetings、Ultrafastなどは、それぞれ対象プランや地域・端末の条件が異なります。
GPT-6.1 Solは、普通のChatGPTで選べますか?
9月30日時点の個別発表では、通常のChatは未対応です。対象のChatGPT Work・Codex、またはAPIで利用します。
今のChatGPTと、dots、Spaceはどう違いますか?
会話でその都度依頼する使い方に加え、dotsは継続的な担当を持つAI、Spaceは人とAIが資料・成果物を置いて共同作業する場所、と整理するとわかりやすいでしょう。役割が異なるので、組み合わせた利用も想定されています。
「最大8倍」は、同じ料金で8倍の仕事ができるということですか?
違います。Codexでのトークン生成速度の比較であり、タスク全体の時間や利用枠とは別です。Ultrafastでは利用枠・料金の消費も増えます。
共同編集スライドは、もう全員使えますか?
英語の公式発表では、対象プランへ今後数週間で提供予定です。提供開始時には、個別の対応状況を確認する必要があります。
あなたの会社では、どの仕事から変えるべきか
今回のDevDayは、高性能なモデルを増やすだけでなく、AIに仕事を任せ、その成果物を人が確認し、チームで使い続けるための機能がそろう発表でした。
一方で、良いツールが登場しても、社内資料が散らばり、担当範囲や確認方法が曖昧なままでは、現場の仕事は進みにくくなります。まずは業務を整理し、1つの仕事で試し、確認した結果をもとに利用を広げていくことが大切です。
あなたのAI顧問株式会社は、AI・DX領域のBPO × AI教育を通じて、業務の整理から実務への導入、現場で使うための教育・定着まで支援しています。「自社ならどの機能が役立つのか」「チームで運用できる形まで整えたい」という方は、お問い合わせフォームからご相談ください。
※本記事はOpenAIなどの公式発表・ドキュメントをもとに作成した解説です。機能の提供対象、料金、利用枠は変更される場合があります。各節の出典から最新条件をご確認ください。
WRITERライター紹介
黒山結音
あなたのAI顧問株式会社 代表取締役
「AIは現場で使えなきゃ意味がない」を掲げ、30社以上にAI顧問として導入から定着までサポート。OpenClaw・Claude・ChatGPTなどAIツールを実務でフル活用し、AI駆動経営を実践。本メディアでは、実際の現場で効果が出た事例や、AI初心者がつまずく「最初の一歩」を、専門用語を極力使わずに解説します。
OpenClaw / Claude Code / Codex / Cursor / Manus